情報リテラシーってもんが、仮にあったとして

2006年3月に、米国「本の電子化」教の総本山であるミシガン大学で、集会が開かれた。その様子を見たい人は、http://www.lib.umich.edu/mdp/symposium/webcast.htmlに行けば、ぜーんぶ見れるよ。長いけどね。


その集会をまとめた報告書なるもんも存在してて、『Mass Digitization:Implications for Information Policy』ってタイトルで、http://www.nclis.gov/digitization/MassDigitizationSymposium-Report.pdfで手に入るよ。「本の電子化が進んでるんだけど、これってやっぱり情報政策に影響するよね。どんな影響が出るか、みんなで話し合ったので、それをまとめておいたよ」って内容。


さて、今日は、そのながーい集会で行われた数ある「説教」の中から、ひとつだけご紹介しましょ。


Ed Tennerさんっていう人が、Information Literacyってことについて話をした。
どんな人かは、http://www.edwardtenner.com/参照。
話の様子は、http://www.lib.umich.edu/mdp/symposium/research.html参照。


いつものごとく簡単に要約すると、

最近の若モンは、情報リテラシーってもんを持っとらん。*1

検索ってもんに原因があると思っとる。

例えば、World HistoryってのをGoogleしてみた。結果は好かん。*2

WikipediaのWorld Historyの項目も見てみた。内容は好かん。*3

Online Britannicaなんか、World Historyって項目すら用意しとらん。好かん。*4

わしは、若モンの情報リテラシー向上のため、提言するぞ。

アカデミックなサイトが、検索結果の上位に来るようにしなさい、さすれば、きっと未来は明るいぞ。*5

ってな感じね。


Tennerさんは、短い講演の中だから、言いたいけど言わなかったことや、時間の関係上省いたことがあるんだろう。だから、そういう事情もあるんだろーなと配慮しつつ、でもあえて、言っとくよ。


情報リテラシーってもんが、仮にあるとして、

「情報を活用する創造的能力」のことを指し、情報手段の特性の理解と目的に応じた適切な選択、情報の収集・判断・評価・発信の能力、情報および情報手段・情報技術の役割や影響に対する理解など、“情報の取り扱い”に関する広範囲な知識と能力のことをいう*6

とするとね、World HistoryGoogle結果に落胆してる時点で、かなり「情報リテラシー」不足のような気がするし、「アカデミックなサイトが、検索結果の上位に来るように」する小細工を知らんこと自体が、「情報リテラシー」に乏しいと思われるんよ。


結局何が言いたいのかっていうと、「情報手段ってのはたくさんあって、目的に応じた適切な選択ってのが、重要だよね。最近の若くないモンは*7情報リテラシーってもんを理解しとらん。わしは、若くないモンの情報リテラシー理解度向上のため、提言するぞ。とりあえず、アカデミックなサイトのことは忘れなさい、さすれば、きっと・・・」ってこと。

*1:Why can’t they read, synthesize, and evaluate complex text?

*2:Tenner sought to illuminate this puzzle by describing his search on the term “world history” in Google.

*3:A Wikipedia entry proved to be skewed and missing some key information; it was not a good introduction to the field.

*4:There were no entries for the topic at all in Online Britannica.

*5:What can librarians, publishers, and authors do about improving information literacy in our society, especially the skills of students and scholars? Two suggestions were offered: academic sites should appear before other sites in results lists, and search engines should be “tuned” for different needs of users.

*6:http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/infoliteracy.html

*7:実際の年齢を言ってんじゃないからね。