1億円あったら、何できる?

(ちなみに、日本は4月1日だけど、アメリカはまだ3月31日なんで、下記内容は、ウソじゃな〜い。)

「あるわけないけど1億円あったらどうする?」(http://www.1oku-life.com/)ってなサイトがある。ちなみに、アメリカで90万ドル(約1億円)を銀行預金したら、毎年45,000ドル(500万円くらい)の利子がくっついてくんので、家族4人、豪遊できる(かも)。


そんなことはさておき、本の電子化の話をしましょ。しかも、1億円プロジェクトのこと。


Google Book Searchは秘密ばっかでつまんない。なーにも教えてくんない。ケチ。


逆に、Internet Archive系列のOpen Content Allianceは、なーんでも話をしちゃう。太っ腹。(でも、あんまし誰も詮索しない。派手さにかける。)


関係者の人が、ぺらぺら、ぺらぺら、あっちこっちでしゃべってんのに、誰も詮索しないので、あーんまし知られていないプロジェクトだけど、どーかみんなには知ってほしいよ。そのプロジェクトの主は、イリノイ大学の図書館ね。*1

http://www.news.uiuc.edu/news/07/0220digitalarchive.htmlより拝借

右に写ってんのが、仕切り役のBetsy Krugerさん。左に写ってんのが、Krugerさんの右腕、Tim Coleさん。(ねっ、ちょうど右腕のあたりにいるでしょ。)


彼らの集めたお金は90万ドル(約1億円)。そんで彼らは、その大金を、2006年7月1日〜2007年6月30日の1年間で使いきるつもり。現在ラストスパート中。(そんで、今回の1億円プロジェクトを成功させて、もっとお金を集めたいらしい。)


使い道はこんなかんじ。

電子化予算 金額
約9,000冊の電子化 $200,000
本以外のいろんなもん*2の電子化 $218,000
その他もろもろ 金額
ポータルサイト開発スタッフお給料 $125,000
ストレージ $80,000
メタデータを管理するライブラリアンお給料 $42,000
プロジェクト作業場の改装費用 $65,000
スキャンする前のいろんな雑務 $80,000
ワークステーション $6,000
予備費*3 $84,000
合計 $900,000

http://massdigiwiki.pbwiki.com/f/Library%20Faculty%20Meeting%20Mass%20Digitization%20Presentation.pptより抜粋


さーて、そのうち気が向いたら、細かいとこ、つっこんで行くかもしんないけど、今日のところは、bookscannerの名に恥じぬよー、スキャナについて、みてみましょっか。


最初のKrugerさんとColeさんの写真のうしろにも写ってるけど、これはInternet Archive社ががんばってつくった「便利な手動ブックスキャナ」。随所に工夫がされてんので、なかなかのもんだよ。


前にもしょーかいしたけど、こんな記事をみると、少しはわかると思うよ。(ちなみに、下の写真にうつってんのは、サンフランシスコの隣町にある作業場で、10台のマシンが置かれてんだよ。)


http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20158867-4,00.htm


http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20158867-5,00.htm


そんでね、イリノイ大学の作業場には、2台のマシンが入ってる。


1日8時間で、(おそらく)4時間くらいの2交代制で、作業してる。それか、すげー体力のある人が、8時間ぶっとーすかも。


土日はきっちり休みなので、週5日働いて、毎週200冊程度*4がスキャンできる。年間9,000冊っていうと、こんくらいのペースだから、覚えといてね。


先ほどの約9,000冊の電子化にかかるとされる$200,000の中には、この2台のマシン代金と、スキャン作業者(Internet Archive社が手配することになってる)のお給料が含まれてんよ。どの本をスキャンしよっかって選んだり、選ばれた本を棚から取ってきて作業場まで運搬すんのは、図書館の人がやることになってて、「スキャンする前のいろんな雑務$80,000」ってのに含まれてる、と思うよ。まぁ、1日あたり40冊、1週分でも200冊程度なので、運搬作業としてはそんなに負担にはならんと思う。*5ただ、スキャン対象の9,000冊を選ぶっちゅうところが、時間食う可能性高い。(http://d.hatena.ne.jp/bookscanner/20070226/p1参照ね)


ってなわけで、結局何が言いたいのか、って言うとね、「1冊いくらって言われたほうが、分かりやすいし、何となくキャッチーなんだけど、そろそろプロジェクト総額いくらって表現も開始するよ。実は、1冊いくらって表現は、かなりいい加減で、間接的な費用をどこまで盛り込むのか、ってことで、いくらにでもできちゃう。なのでインチキ発表を許さないためにも、総額表示が好ましいわけさ。そんで今日はその手始めとして、彼らの約10,000冊のスキャンプロジェクト1式、1億円なり」ってこと。

*1:詳細を知りたい人は、この辺りからはじめましょ。http://massdigiwiki.pbwiki.com/f/Library%20Faculty%20Meeting%20Mass%20Digitization%20Presentation.ppt

*2:厳密に言うと、本も含まれてんだけど、まぁ四捨五入ってことで

*3:なんだ、この予備費ってのは?全体の10%もあるじゃねぇか!

*4:ちなみに、http://www9.cds.ne.jp/~hekeke/へ行って、下の方へずんずん行って、「僕のあずまんが2」ってのが書かれてるすぐ下の写真が200冊弱らしい

*5:http://d.hatena.ne.jp/bookscanner/20060830/p2には、1日3,000冊となると大変だよ、ってことが書いてあるので、お時間あれば、見てね。