50万冊捨てたわけ


昨日、アベブのブログに載ってた「50万冊の本を捨てちゃって、みんなから攻められてる市政府」てのを紹介したけど、ちょっと思うところあって、も少し詳しく伝えておくね。


これは、捨てられちゃった本をバックに(記念)撮影してる元持ち主(経営してた古本屋が倒産しちゃった人ね)。*1

http://www.cyberpresse.ca/article/20070213/CPACTUALITES/702130568/より拝借

復習しておくけど、話としては、

古本屋が家賃払えなくて追い出された。そんとき、残された50万冊の本を市が回収して、一時保管してたんだけど、引き取ってくれそーな人がいないので、捨てた。そしたら、環境団体が「なんで、リサイクルに回さないんだ!」って怒ったらしい。他にも、「学校とかに寄付しろよ」とか文句言われてるらしい。

ということ。


どんくらい怒ってるかっていうと、http://carolebeaudoin.net/?2007/02/13/535-500-000-livres-jetes-aux-orduresに行って、Commentaires(コメント欄)ってところをみてみて。たーくさんの書き込みあるでしょ。訳そうと思ったけど、あまりにも「感情的」な言葉が多くて、怖くてやめた。中には、市長のメールアドレスを載せて、「こいつに怒りのほどをぶつけてやれ!」ってな書き込みまである。


もう少し冷静な意見として、
http://www.lapresseaffaires.com/article/20070214/CPARTS02/702140818/5756/CPARTSでNathalie Petrowskiさんが書いてる。
全体的に「怒り」より「悲しさ」を訴えて、最後に、

Espérons que cette triste histoire leur servira de leçon et leur fera comprendre que qui aime les livres les donne au suivant.

というわけで、「今回の悲しい出来事が、せめて教訓となってくれて、本というのは、次から次へと愛読家の手を渡っていくものなんだってことを、お役人さんたちが理解してくれることを願うわ」って言ってる。


怒ってる人も、悲しんでる人も、その気持ちは分かる。確かに、写真を見る限り、ひどいよね。
でも、http://www.cyberpresse.ca/article/20070213/CPACTUALITES/702130568/を読む限り、市にも言い分があるらしいよ。(念のため、断っておくけど、ネットで状況を読んでるだけなので、どの情報が正しいのかとかよー分からん。だから、こんな間接情報じゃ、どっちの味方もできんけどね。)


市の言い分として、一番説得力があるのは、50万冊の本を保管するコストね。倉庫代だけで、1ヶ月40万円するんだって。11月に回収して、一時的にあずかってたでしょ。だから、(捨てようって決心した)1月末の時点で、すでに120万円くらいを使ってるわけ。もちろん、このほかに運送費用とかもかかるんだよ。


そんで11月に回収した時点で、その古本屋経営者に、3ヶ月の猶予をやるから、売る先・あげる先・保管場所とかを探しておいで、って言ったんだって。そんで、3ヶ月たっても、本を引き取る先が見つからんかったし、放っておけば、毎月40万円がなくなるし、ってなわけで、捨てちゃったらしい。


というわけで、結局何が言いたいのかっていうと、「市に対して怒ったり、悲しんでたりしてっけど、そんな単純な話じゃないと思うよ。3ヶ月たっても、引き取り先が見つからなかった、ってのを、もう少し冷静に受け止めたほうが良いんじゃない。50万冊もあると、それを運ぶのにもお金かかるし、それを仕分けすんのもお金かかるし、保管だってお金かかるよ。さらに古本だから、維持管理にも相当のお金かかんよ。間接情報だから、どっちを味方しようかなんて、真剣に考えるほどのことでもないけど、でも似たようなことが身近で起こったとき、私財なげうってでも、古本を守れるかどうか、自問してみよー」ってこと。

*1:なんか、よーくみないと、本なのか、ただのゴミなのか、わからんけど