あんまし派手に、ヤバいことしないで、ってコーネル大学が言った
日本では、とうとう16団体が著作権保護期間延長を求めたらしい。Copy&Copyrightさんによると、
(著作権保護期間の延長について)要望を出す...理由が「世界標準」というのは、何も考えていない証拠
ということで、なかなか情けない状況のようだ。情けない団体は、この16団体とのこと。
ところが、
同じ「世界標準」を目指すなら、もひとつ「公的使用(Fair Use)」というものがあって、それは
著作権の概念の一つで、著作権者の許諾がなくても、教育や研究などの目的における著作権付き素材の使用を許可する法原則の総称。日本の著作権法では、現在のところ制限を課して、完全に認められていない。ただし、「Fair use」は世界的傾向であり、日本の著作権法もいずれ国際的な「公的使用」が認められることが望ましい。
ということらしいので、こっちもついでに要望してくれればよかったのに。情けなさが、片手落ちだよ。
「公的使用(Fair Use)」と言えば、アメリカでは、教育現場における「公的使用(Fair Use)」が問題になっている。
いつものごとく、Jillさん経由で知ったんだけど、米国の名門大学であるコーネル大学ってところが、「あんまし派手に、ヤバいことしないで」っていうお触れ書きを出した。
内容は、「digital course materials」(という「電子化された教材」ってことになってるけど、おそらく参考図書や引用文献みたいなもんだろう)の利用に関して、著作権をもう一度考えてみよう、って感じかな。
基本的には、
- 著作権というものがあるから、(電子化されていようが、いまいが)本の一部でも勝手に配布したりするのはよくないよ
- でも、Fair Useってのがあるから、該当するかどうか、作っておいたチェックリストを使ってさ、自分でチェックしてね
- もしFair Useだって認められなかったら、ちゃんと許可(permission)をとろうね
- スキャンした本とかを授業で使いたいなら、パスワードとかでちゃんと保護してほしいし、できるだけ、自分でスキャンするじゃなくて、すでにスキャンされて合法的にオンラインで公開してるもんを使おうよ
- 著作権保護されてるもんを使うときは、「著作権でまもられてるのを勝手に使ってます」って注意書きしようよ
- 生徒に違法コピーするようにそそのかすのはよくないよ
- ちゃんと、図書館に行って、読むんだよ、って教えなくちゃ
というもの。
というわけで、Jillさんによると、コーネル大学が言いたいのは、
Here Cornell is saying that the practice in their eyes in unacceptable.
ということで、「最近の先生たちのやってることには、目に余るものがある」ってことなんだって。
アメリカでは「著作権がないがしろにされてる面があるからちゃんとして」って事が問題になってる一方、日本ではみんなちゃんとしてきたのに、さらに「著作権保護期間の延長」要望が提出されちゃったそうで、そんな2つのことが同じタイミングで起こってるのがおもしろい。
梅田さんが『「確信犯」的な態度を貫く「ユーチューブ」の加速感』で対比してる2社、「著作権的にグレーな状況」を発明したYouTube社と、「お行儀のよい順法サービス」を貫く「ワッチミー! TV」社みたいな感じがした。
あ〜あ、日本は、どこまでいっても、お行儀がよいんだな。アメリカに住んでると、日本のそんなところが好きになるんだけどね。