本の電子化の「あちら側」
とりあえず、詳細は徐々に紹介していくとして、お題だけでも提示しておく。
お題:本を電子化して何すんの?
- ネットで公開されるので、例えば家にいながら、本が見える。あらっ、便利。
- 一人旅に行くのに、五木寛之の小説を全部持っていったら大変だけど、電子端末に入れておけば、お手軽。
- 図書館が火事になったら、全部燃えちゃう。だったら、電子化しておいて、別の場所で保管。安心。
- 「なか身」が検索できるので、意外な本に出会う。こんなところでも、ひそかに言及されていたのか!感動。
- 「なか身」が検索されたので、本が売れた。ラッキー。
- 全文検索で、そのキーワードが載ってる本をピックアップ。本屋へのリンクを貼って、広告収入。儲かった。
いろいろとネットで調べいるけど、「すごい、Amazon!」「すごい、Google!」って記事は多いけど、だいたい上に挙げたような、「こちら側」の話が多い。「あちら側」を詮索しているのは、梅田さん、外部記憶さん、あたりでしょうか。
でも、「あちら側」で着々と作戦が進行しているのですが、名前がない。その作戦に、適当な名前をつけてみると、「本が本を読む」作戦。
「こちら側」で「しめしめ無料で本が読めるぞ」なんて考えている私を尻目に、というより、「お金持ってない私にも本にアクセスできるようにしてるんだから、フェアーユースだ!」なんて感じで私をダシに使って、Googleはどんどんスキャンを進める。でも、「あちら側」では、「本が本を読」んでいるんだから、本当のこと言えば、私は要らない。スキャン画像も要らない。だから、多額の費用をかけてスキャンした画像も、いとも簡単に公開しちゃう。画像はいわば、ニボシか鰹節みたいな存在。ダシとった後なら、ただで配っても、痛くも痒くもない。だって、うまみは、すでにGoogleサーバーの中だから。
じゃ、「本が本を読む」作戦で貯め込んでいる「うまみ」は何なのか?
私はこの分野の専門家じゃないから、単なる紹介をする。(あとは、誰かが。。。)
Gregory Craneさんは、「What Do You Do with a Million Books?」というものを書いている。
その中で、「本が本を読む」作戦について、次のように言う。
まぁ、まだまだ原始的な段階だろうけど、電子図書館ってのは、本が本を読んでいるんだよね。そんで、人間の脳なんてものとは関係なく、作業を進めているんだよ。
Digital libraries, where books read one another in however a rudimentary fashion, have already begun to separate intelligence and action from the human brain.
今の図書館は、人間が読みに来てくれることを期待しているから、机やイスが置いてある。だけど、電子図書館は実は人間向けじゃないけど、仕方ないから、人間向けのインターフェースを用意してあげる、ってことかな?
このあたりを読めば、なんとなく、「Googleは、ダシをとったニボシでまず広告収入を得て、さらに「うまみ」でさらなる儲けを狙う」って感じに思える。ちょっとだけ、むっと来た。でも、Gregory Craneさんとか、その他D-Libの論文は、少し専門的なので難しいので、爆発するほど、頭にはこなかった。
私を含めて、ちょっと難しいなと思った人は、梅田さんも、外部記憶さんも紹介しているこちらのKevin Kellyさんの記事がお勧め。彼は、Scan This Book!という記事の中で「本が本を読んだら、どうなる?(What Happens When Books Connect)」という章を立て、作戦の一面を簡単に説明してくれる。あくまで、一面なのが残念。
今日はこの辺で。
最近、初めてトラックバックというものをしてもらったので、なんとなく、どんな仕組みか分かってきた。コメントも付いた!と喜んでいたら、宣伝だった。でも、記念すべき初コメントだから、大切にとっておく。今、お勉強中なのは、「はまぞう」というもの。いつも書いているとき、上にあるから、気になっている。でも、いまのところ、何なのか、まったく分からず。