カレントとアーカイブ

「本の電子化」ってのは、ある意味ブームだから、みんな、なんとなく分かってる。でも、「なんとなく」だから、いろんなことがごっちゃまぜになってて、ときたま、混乱してるよーに見える人がいるよ。


今回から数回にわたって、「電子化」にまつわる分類を、いくつか紹介すんね。いつものごとく、厳密さよりも、分かりやすさを優先してんので、大きな心で受け止めてね。そんで、少しでも混乱が晴れてくれればいいんだけど、もし余計混乱しちゃったら、カンベンね。


今日は、タイトルどおり、カレントとアーカイブ

「本の電子化」と言っても、二つあって、カレントとアーカイブ。言い換えると、「電子形態での出版」と「既存本の電子コピー作成」かな。

ってのが、最近の口癖。口にタコができた。


この資料の図を見ると、わかりやすいよーな気がするよ。(本じゃなくて、学術雑誌についてだけどね。)


かなり、おおざっぱに言えば、これから出すもんは、電子化した状態でだしましょ。さらに、過去のもんは、電子コピーしておきましょ。その二つを、ボチボチやっていきましょ、ってこと。


こーして考えれば、例えばGoogleがやってるプロジェクトのうち、図書館と組んでやってんのは、アーカイブだよね。そんで、出版社からのデータ提供で進めてる部分はカレントだよね。


そんで、カレント/アーカイブって視点からみておもろいのは、Amazonのやったことだと思うよ。Amazonがスキャン対象としたのは、最近の本だよね。だって、その本を売ってんだから。最近の本なんだったら、わざわざアーカイブ扱いでスキャンしないで、カレントとしてデータ提供受ければいいじゃん、って思わない?普通、思うよね。


だけど、(これまでにも何回か紹介したよーに)実際は20万冊くらいをスキャンしたわけ。こういう「違和感」が、電子化事情の裏側を垣間見せてくれんだよね。この話をすっと長くなるから、今日はせんけど、いつか、あらためてね。それまで、なんでだろう、って考えておいてね。


ってなわけで、結局何が言いたいのかっていうと、「今も増え続ける「本」が相手だから、「電子化」しようと思うと、現在と格闘しつつ、過去の山を切り崩す、っていう両面作戦が必要なわけ。そんで、その二つの作戦は、似たような言葉を使うんだけど、道具とか手順とかが全く異なってて、当事者でも結構混乱するよ。あと1年くらいたって、アーカイブがかなり進めば、少しは混乱が収まるとおもうけど、それまで、これって、カレント?それともアーカイブ?って感じで、みんなサイドで整理してね」ってこと。