Microsoftの「やるき」とKirtasの「ちのり」

(まちは仮装で仕事にならん。FedExの人は、天使の格好で配達してた。今夜は寝れないな。)


10月25日に、Microsoftのスキャンプロジェクトについて、書いた。
http://d.hatena.ne.jp/bookscanner/20061025

その続報ね。Microsoft、やっぱり、やる気あんだよ。


あーいう大きなニュースは、普通、地元が喜ぶ。なんでかって言うと、雇用がうまれるから。さっそく、Kirtasの本拠地周辺の地元紙を見てみたら、やっぱり喜んでた。例としてThe Messenger Post Newspapersってかなりローカルな新聞社があんだけど、そのオンライン版10月18日にこんな記事があった。

Having landed a "multi-year, multi-million dollar" contract with software giant Microsoft Corp., Kirtas Technologies plans to add 145 jobs, 30 of which should be in place by mid-December, said CEO Lotfi Belkhir.

ってわけで、「Kirtasはこれから145人を追加で雇うよ」ってことらしい。そりゃ、大騒ぎだよ。だって、Kirtasの本拠地Victorって町は、人口約10,000人の町だよ。あらたに145人も見つかるかな?鹿とか熊なら、間違いなく145頭はいるはずだけど。*1


そんで、Microsoftのやる気を推測してみる。新しく145人を雇うってことは、(何の根拠もないんだけど経験上)だいたい6で割って、24台くらいのマシンを使うんじゃないかなと考える。Kirtasがどのマシンを使うのか分からんけど、仮に1時間2,000ページくらいのペースでスキャンすると、1台あたり1時間に5冊くらいはスキャンできて、24台あれば、120冊/時間。おそらく、2シフト(15時間)くらいでスケジュールしてくるはずだから、1,800冊/日だな。


GoogleUCは、「1日3,000冊」って言ってるから、「それと比べちゃ小さいじゃん」と思うかもしんないけど、それって結構麻痺してるよ。1日1,000冊スキャンするっていうだけでも、とんでもないプロジェクトだよ。(費用もそうだし、プロジェクト管理もそう。)だから、Microsoftは、やる気満々と見るよ。


そんで肝心の145人も見つかるのか?ってことだけど、KirtasってVictorって小さな町にいるけど、ここって結構良い場所にあると思うよ。

  1. 本を提供してくれるコーネル大学に近い (車で2時間くらい。アメリカだと、こんくらいの距離を「近い」と呼ぶ。)
  2. ロチェスターって都市が隣にある (車で30分くらい。このくらいの距離は「お隣さん」と呼ぶ。)
  3. ナイアガラの滝まで2時間 (夏はいいね)

そのロチェスターって町について、ウィキペディアを見ると、

今日では特に医療機器や光学機器、事務機器などの精密機械工業で名高い。カメラの大手であるEastman Kodakコダック)やレンズ大手のBausch&Lomb(ボシュロム)が本社を構え、また事務機大手のXEROXもこのロチェスターが発祥であり、研究機関や工場がある

らしい。ということは、スキャナとかになじみのある人がたくさんいるってことだよね。そういう点でも、いい人が集まりそうだね。


というわけで、Microsoftは1日1,800冊くらいはスキャンするつもりだから「やる気」あんだろうし、コーネル大学が「決め手」としたKirtasはとても良い場所に位置して「地の利」がある。このディールもうまく考えられてんな、って感心する。

*1:Victor出身者の方がいらしたら、ごめんなさい。あくまで冗談です。