みんなでスキャン①

世の中、「ネット+分散」がはやり。当然、スキャン作業もみんなでやろうと思うわけ。たとえ世界中に1億冊の本があろうが、1億人が1冊づつスキャンすれば、すぐ終わる(はずなんだけど)。


はるか昔に、http://d.hatena.ne.jp/bookscanner/20060819で、校正作業をみんなでやりましょ、っていう「Distributed Proofreaders」なる団体を紹介したよね。そっちの方は、(Googleスピードで考えると、とんでもなくおそーいペースだけど、ふつーの電子化プロジェクトとして考えると)比較的順調に進んでんだと思う。


ところが、
「みんなでスキャン」計画ってのは、あんましうまくいかん。なんでうまくいかんのかっていうと、「本」っていう物理的なモンが関わってるからだよね。まぁ、そーなんだけど、たとえうまくいかんでも、試みることはすばらしい!というわけで、2回にわけて、「みんなでスキャン」たちを紹介すんよ。そんで、日本のどっかから、新しい「みんなでスキャン」計画が湧き出てくるといいね。その参考になれば、と願ってる。


1回目の今日は、bookscanner.com。
http://www.bookscanner.comっていうところへ行ってみたことある?


このサイトの冒頭

Would you like to have this scanner for the cost it takes to ship it to you? You can also pay $80 plus shipping. Your Choice.

ってなわけで、「送料15ドルを払ってくれるなら、このスキャナをあげちゃうよん」だって。


だけど、正確に言うと、あげちゃうわけじゃなくて、「引き換えに、2冊のスキャン作業をして、データを送ってね」というヒモつき。


彼らは、最初(1999年)の段階では、100ドルでスキャナを売って、500ドルくらいで、下図のように本をスキャンしやすいように改造してあげるよ、って感じで売り出したんだ。


http://web.archive.org/web/19991127134522/http://www.bookscanner.com/


ところが、(おそらく)あんまし売れんかった。そこで、考えた挙句、作戦変更!2002年5月に、気分一新、現在のような「2冊スキャンしてくれんなら、送料だけで、スキャナあげちゃいます」モデルに変更した。


そんで、集まったスキャンデータはどーしてんのかっていうと、(実を言うと)さっぱり分からん。捜索願いを出してんだけど、何の手がかりもつかめん。


予想としては、カーネギーメロン大学のやってるUniversal Libray Project(http://tera-3.ul.cs.cmu.edu/)あたりに、合流してるよーな気もしないではないし、そもそもあんまし協力者が現れなかった可能性も高い。


はっきり言って、よー分からん。でも、アイデアとしては、悪くない。パクり甲斐がありそー。


というわけで、本日の結論。「スキャン作業で一番お金かかんのは、人件費だから、そこをなんとかしたい。何かあげるから、労力を提供して!ってモデルは良さそー。でも、スキャナがかなり安くなってんので、スキャナあげます、ってんじゃ、誰もよってこない可能性が高い。何がいいかな?でも、こーいうのって、モノの値段が問題じゃなくって、タダでもらえるってとこがオモロいのかな?それか、2冊スキャンすると会員権がもらえて、みんながスキャンした画像に無料アクセスできるってのでもいいかな?とかいろいろ考えてみたよ」ってこと。