彼理より先にきたロバート


元やまと新聞記者の「平元猛堂」こと平元兵吾さんによると、米国海軍史には、こーんな感じで書かれてるらしい。

日米間通商関係の開始は、勿論彼理の浦賀来朝を以て発端とするべきも、それ以前に於て幾多の会見折衝ありたるは事実なり、彼理来朝の49年前、即ち1797年米人ロバート、ショウなる者ダッチ東印度商会の一員として、同僚若干を伴い長崎出島に碇泊して飲料水竝に土地の一度を占有することを迫り、甫めて米国国旗を示し談判する所ありき、当時欧州はマルコポーロの、東洋富源論を耽読されつつありたる結果、彼等は通商を名目として侵略の異国ありしや疑ひもなし、然るに日本の拒絶する所となりて彼等は何等なすところなく姿を消して立去れり、是れ蓋し日米人最初の会見として、米国海軍歴史に残れる所なるも、ショウは個人的来航なりし丈にれ以外何等の印象を止めずして歇みにき、次いで1830年、時の米国大統領ジャクソンの命により、エドモンド、ロバートなるもの米国を出発したるが、竟に馬港にて客死したるを以って沙汰止みとなりたり、次に1845年、ゼームス・・・・

戦後の日米』より


へぇー、彼理(ペリー)さんよりも50年くらい前に、ロバートさんって人が日本に来たんだね。
ところで、一体、この平元さんって誰?



いろいろと調べてみると、ロスアンゼルスに住んでた人らしいんだけど、それ以外は、よー分からん。ただ、NACSISを見る限り、『戦後の日米』って本は、東大にも置いてあるらしく、まぁ、ある程度普通の本なんだろーな。


さて、今日は、平元さんのことを書きたいんじゃなくて、しかもロバート・ショーなる者について書きたいわけでもない。実はこの『戦後の日米』が、Internet Archive社によってスキャンされたよ、ってことが言いたかった。Internet Archive社は今カリフォルニア大学図書館の蔵書をスキャンしてるでしょ。そんなかに、こんな本が混じってたよ、ってこと。http://www.archive.org/details/sengononichibei00hirarich


ちなみに、日本語が分からん人がスキャンしたらしく、ページは後ろから前に向かってスキャンされてて、さらにOCRは横書き英文だと思ってやってるので、認識率0%。お見事!


でも、こんな本もUCバークレー校の図書館で眠ってるんだよ、さらに、こんな本もスキャン対象として選ばれてんだよ、って感じで、暖かい目で見てあげてね。


さて、電子化された本の紹介ついでに、もひとつ紹介しておきましょ。


日本の北海道大学は、いろいろと電子化してるんだけど、そんなかで、彼理(ペリー)つながり。ということで、http://ambitious.lib.hokudai.ac.jp/hoppodb/kyuki.cgi?magoid=0A031250000000000&page=1。ここへいくと、「彼理応接顛末」っていう感じで、「やべー、変な外人が来たよ。どーするべ」ってな様子が伺える(らしい)。実は、あまりに漢字が多くて、読めんかった。しかも、辞書で調べようと思っても、画像をアップにしたりできないから、漢字がつぶれちゃっててよく分からん。


というわけで、結局何が言いたいのかっていうと、「もし電子化したもんを読もうとした場合、インタフェースは重要だよ。北海道大学の公開方法じゃ、細かいところが、よー見えん。北海道大学附属図書館の目的は、http://ambitious.lib.hokudai.ac.jp/hoppodb/に書いてあるとおり、

このデータベースは, 北海道大学附属図書館北方資料室等の所蔵資料を収録した5種の目録を、平成5年から平成16年にかけて「日本学術振興会:科学研究費補助金研究成果公開促進費)」の交付を受け構築したものです。一部の資料については「画像」や「本文」を見ることができます

ってなわけで、本文を「見ること」ができるんであって、「読める」かどーか知らんよ、ってことなのかな?できれば、読んでみたいよぉ。せめて、もう少し画素数*1を増やしもらって、画像拡大機能みたいのもつけてほしいよね。その点、Internet Archive社がスキャン公開してる『戦後の日米』は、ページ順番が逆だけど、内容は読めるようになってるよね」ってこと。

*1:現在768x544ピクセルだよね。