2001年10月10日

最近、アメリカで進んでる「本の電子化」に関して、"Mass Digitization"という呼び方が一番聞かれるよーになったよ。これは、単なる大規模プロジェクト(Large Scale Digitization)ってのとはちょいと違う、「工場での大量生産(Mass Production)」みたいなニュアンスを含んでるってのが、通説*1。とりあえず、今のところ、Large Scaleってのは10,000冊程度の規模で、Mass Digitizationってのは1,000,000冊以上の規模ってな感じで考えてね。じゃぁ100,000冊だったらどー呼ぶのか、ってなことは聞かないでちょーだい。*2

さてちょいと、昔を振り返りましょ。
2001年10月10日に、何が起こったか、覚えてる?


この日、米国Amazon.comが、「本をスキャンするぞ!」って発表した日。
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=213928
だいたい、25,000冊くらいから始めよーかなぁって言ってた。Googleとかのせいで感覚麻痺しちゃってる2007年から見ると、「少な!」って思うかも知んないけど、2001年当時は、「うお!」って感じだったんだよ。


今振り返ってみると、この日から電子化事情は、Large Scale Digitizationを脱皮し始めて、そんで、http://d.hatena.ne.jp/bookscanner/20060926/p1にも書いたけど、2003年というのが、とりあえず「大量スキャンプロジェクト元年」でいろんなことが噴出した。そんで、2005年くらいから現在のMass Digitization大競争時代に突入してる。ってのが、おおよその流れね。


そんで、この2001年10月に、もうひとつ重要な発表がされてる。
http://www.innodata-isogen.com/news/2001_news_releases/2001_10_23_news
この発表によれば、米国Innodata社が「Amazonのスキャンプロジェクトを受注しましたよ」ってこと。


次回は、このInnodata Isogen社ってのを中心に、当時の事情を詳しく見るよ。


というわけで、今日のところは、何が言いたいのかって言うと、「本電子化史において2001年10月10日ってのは、日本近代史における1853年7月8日と同じくらい重要な日になるよ」ってこと。

*1:http://d.hatena.ne.jp/bookscanner/20061113/p1で、「電子化工場」を紹介したでしょ。あんなイメージね。

*2:このあたりに興味あれば、http://www.kcoyle.net/jal-32-6.htmlあたりがオススメ